五行詩【葱坊主】
寝たままで スッキリと 家庭散髪 葱坊主が一匹 できる
岩崎航 OFFICIAL WEB ベッド上から五行詩に綴る
寝たままで スッキリと 家庭散髪 葱坊主が一匹 できる
しんしんと 雪降る夜に 僕は 生まれた 白銀行路を ふみしめて行く
関節の変形した 使い過ぎた母の指 ひとつ ひとつが 私を 家族を 支えてくれた
鼻の管を留める ばんそうこうを 顔に留まった 白い蝶々に してくれた
自分の骨身に 活を 入れるための 呼吸器を つける
食べたいと思う 人がいて 食べさせたいと思う 人がいる 経管栄養の一日
毎日の経管栄養 たまに お腹に住んでる 小ちゃな餓鬼が 騒いだりする
登下校は T大のキャンパスを 通り抜け ふたり乗り 譲り葉の 親子道
丑三つ時の 体位変換 虎落笛が 吹く 無言劇
呼吸器の音 常夜灯の光 ささやき声 夜の 体位変換