五行詩【栄養カテーテル】
なかなか入らぬ 鼻への栄養カテーテル こいつ 蛇のように 思えてくる
岩崎航 OFFICIAL WEB ベッド上から五行詩に綴る
なかなか入らぬ 鼻への栄養カテーテル こいつ 蛇のように 思えてくる
雪が 降っていて 手鏡を そっと差し出す 母がいて
往診の先生の 聴診器 ひいやりと 冬模様 伝えてくれる
吐くものがないのに 吐いている 吐き地獄 これが宿業なら 吐き切れ
呼吸器の 響く夜の 月が冴え 睡れない眼も 冴えている
星空を 見上げなくとも 観える輝き 月見草は 心に咲いて
新調した車椅子 浮き浮きと 春を 待つかのように 駆け出しそう
在るがままで 演じる 人生の劇 最後まで つとめてみせる
泥の中から 蓮は 花咲く そして 宿業の中から 僕は 花咲く
今横たわる ベッド上 白き 六尺 使命の庭に