五行詩【経管栄養の一日】
食べたいと思う 人がいて 食べさせたいと思う 人がいる 経管栄養の一日
岩崎航 OFFICIAL WEB ベッド上から五行詩に綴る
食べたいと思う 人がいて 食べさせたいと思う 人がいる 経管栄養の一日
毎日の経管栄養 たまに お腹に住んでる 小ちゃな餓鬼が 騒いだりする
呼吸器の音 常夜灯の光 ささやき声 夜の 体位変換
コンビナートの パイプラインの 接続のようなものだ 自分で入れる 鼻の栄養カテーテル
なかなか入らぬ 鼻への栄養カテーテル こいつ 蛇のように 思えてくる
雪が 降っていて 手鏡を そっと差し出す 母がいて
往診の先生の 聴診器 ひいやりと 冬模様 伝えてくれる
吐くものがないのに 吐いている 吐き地獄 これが宿業なら 吐き切れ
星空を 見上げなくとも 観える輝き 月見草は 心に咲いて
泥の中から 蓮は 花咲く そして 宿業の中から 僕は 花咲く