



3・11 東日本大震災に寄せて
もう言葉がない…
まして歌など出てこない
なぜできる?
なぜできようか!
心がこわばり動かない
つながりたい
けれども、つながれない
無事ですか?
その問いかけに
応えられないもどかしさ
翌日付、河北新報一面大の 記事を見たとき
「ああ…何ということだ…」
暗黒のかぎ爪で鷲づかみにされた
ショックを 受けた
ぼくはまもなく新聞を閉じてもらいました
こんなにも母の手は
しわがあったのだろうか
こんなにも父の髪は
うすくて白くなっていただろうか
震災によること明らかなり
一杯の温かいお茶を飲めることが
こんなにも 尊くて こんなにも身を癒すとは
ありがたくて、皆で感謝した
聞けば、停電下にあって
ストーブの上でつくられたという
何度でも、思いはいつも還っていく
八つ裂きになっても
辛くて分からなくて悲しくて狂いそうで
ぐしゃぐしゃになっても
今日もまた、木洩れ日が戻ってくる
生きるを揺り熾す
友だちの声
悲しみを押し流す
一滴の大河
そんな生身の煌めきが、虹をかけるのだ
どんな引用もいらなかった
手を握り続けてくれただけだった
涙を流させてくれただけだった
それだけだったが
朽ちかけた倒木に、緑が動いた
自分の命や、人の命を守ること
そのために必死で闘い
霧の中で迷いながらも
命が命を生かそうとした戦場において
みんなが命がけだったのだ
取り澄ました そのマスクを
自らの手でちぎりされ
ぶんなげろ
そして、明け方の流水でもって
素顔を濯いでやるんだ
生きようと
向かえる気持ちは
芽吹きのよう
炎に焼かれた
幹の心は生きている
