五行歌【拠る】

五行歌【拠る】 言葉に/揺るがされたら/言葉に/拠(よ)って/身を支える


 
 言葉に
 揺るがされたら 
 言葉に
 拠って
 身を支える
 

【注】拠(よ)って

五行歌【本音】

五行歌【本音】 本音という名の/暴言があり/本音という名の/呻吟があり/一瞬で見抜かれる


 
 本音という名の
 暴言があり
 本音という名の
 呻吟があり
 一瞬で見抜かれる 
 

五行歌【握るのは】

五行歌【握るのは】 命綱を握るのは/どこまでも自分である/無力を転じる/生き抜く力/明け渡さない


 
 命綱を握るのは
 どこまでも自分である 
 無力を転じる
 生き抜く力
 明け渡さない
 

五行歌【百万馬力】

五行歌【百万馬力】 この/一本の指先が/動かせるという/幸い/百万馬力


 
 この
 一本の指先が
 動かせるという 
 幸い
 百万馬力
 

五行歌【勇気の盃】

五行歌【勇気の盃】 志があるなら/負けることはない/あなたから/僕にも交わされた/勇気の盃(さかづき)


 
 志があるなら
 負けることはない 
 あなたから
 僕にも交わされた 
 勇気の盃
 

【注】盃(さかづき)

五行歌【旗】

五行歌【旗】 旗は/強い風が吹きつける時/音を発します/力強くはためきます/今がその時


 
 旗は
 強い風が吹きつける時 
 音を発します
 力強くはためきます
 今がその時
 

五行歌【龍に】

五行歌【龍に】 一枚も二枚も/皮を脱ぎ捨てて/さらに/呑みこめる龍に/なってみせよと


 
 一枚も二枚も
 皮を脱ぎ捨てて 
 さらに
 呑みこめる龍に 
 なってみせよと 
 

五行歌【終わりなき歩み】

五行歌【終わりなき歩み】 大聖堂とは/だれかが建ててくれる/記念碑ではない/心に宿す/終わりなき歩みのことである


 
 大聖堂とは
 だれかが建ててくれる
 記念碑ではない
 心に宿す
 終わりなき歩みのことである 
 


“ だが、建立すべき大聖堂を心に宿している人間は、すでにして勝利者である。”

サン=テグジュペリ(山崎庸一郎 訳)『戦う操縦士』より

五行歌【静かに激しく】

五行歌【静かに激しく】 静かに激しく/生きるほかあるまい/そうしか/ありようがない/怯むな、恐れるな


 
 静かに激しく
 生きるほかあるまい 
 そうしか
 ありようがない
 怯むな、恐れるな
 

五行歌【千年杉】

五行歌【千年杉】 あなたが/千里を行く駿馬なら/ぼくは/何だろうか/動かぬ千年杉になろう


 
 あなたが
 千里を行く駿馬なら
 ぼくは
 何だろうか
 動かぬ千年杉になろう 
 


動けぬにあらず動かぬ千年杉 折笠美秋

句集『君なら蝶に』より